「テミスの剣/中山七里」あらすじ・感想

テミスの剣 小説のあらすじ・感想

あらすじ

強引な取り調べで自白させた殺人事件。

当時の取り調べを担当した刑事の一人である渡瀬は、5年後別の事件から、先の事件の判決は証拠の捏造による冤罪だったことを知る。

犯人にさせられた青年は既に獄中で自死。

渡瀬自身はもちろん、警察、検察、裁判所等多くの人々や組織が糾弾されることになっても、渡瀬は冤罪を公表した。

それからさらに23年、当時の事件が思わぬ形で動き出す。

感想

いわれのない殺人事件の罪を着せられ自死した青年の両親が、何十年経っても苦しみ続ける様子は痛々しく、こちらまで胸が締め付けられました。

それに比べて、模範囚を演じる囚人の狡い考えには、ムカつくような、ゾッとするような。

無期懲役や死刑の意味って何なんだろうと、やりきれない気持ちです。

また、正しさの追求のために行動する渡瀬はもちろんですが、個人的には冤罪事件を裁いた判事・高遠寺静がかっこよくて好きです。自分を律し謙虚であろうとする姿勢、自分の過ちと向き合いけじめをつける姿、自分も糾弾されることを知りながらも渡瀬の背中を押す言葉、どれもこれも尊敬します。

ころり的好き度

★★★★☆

コメント

タイトルとURLをコピーしました