「キネマの神様/原田マハ」あらすじ・感想

キネマの神様 小説のあらすじ・感想

あらすじ

歩が十七年間勤めた大企業へ辞表を出した日、ギャンブルと映画を生きがいにする父が入院した。

入院中、父が長年書き溜めた映画日誌を見つけた歩は、夢中になって読み、自身の映画評論も書き加える。

やがて父は退院するが、多額の借金が判明した。

ギャンブル依存から脱するため、歩は父の映画好きに賭けることにする。

ただの映画好きの老人がスタートしたブログが、家族の人生を、名前も国籍も知らぬ友の人生を、潰れかけの会社や小さな名画座の運命を、大きく動かしていく。

感想

映画への愛、家族への愛、友達への愛、そしてぐっと心に来る文章でいっぱいです。

作中に映画の感想や評論がたくさん書かれていて、ほとんどが私の観たことのない映画のものなんですが、見事なんです。

映画を観ていないのに、評論で泣けるなんて。

感動だけじゃなく、ゴウとローズ・バッドの論じ合いはバトル漫画のように熱く、新村よろしく「ローズ・バッドかっけぇー!」と叫びたくなるほどです。

どんどん広がる展開と、響く文章で、わくわくしっぱなしでした。

伏線が“キネマの神様”によって美しく救われるラストは、まさに映画鑑賞のように、明るくなるまで静かに座って浸るのがぴったりでした。

ころり的好き度

★★★★★

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