「アリアドネの声/井上真偽」あらすじ・感想

アリアドネの声 小説のあらすじ・感想

あらすじ

健常者も障害者も住みやすいスマートシティ「WANOKUNI」。

そのオープニングセレモニーの日、大きな地震が発生した。

WANOKUNIの機能の多くが詰まった五層に渡る地下都市は、ほぼ壊滅状態となった。

ドローンを扱う企業に就職し、WANOKUNIプロジェクトに関わっていたハルオは、その操縦技術を買われ、災害救助用ドローン「アリアドネ」での捜索を行うこととなる。

地下五層、たった一人取り残されてしまった要救助者…それは、見えない、聞こえない、話せない。令和のヘレンケラーと呼ばれ、WANOKUNIの象徴として活動する女性だった。

余震、浸水、火災、そして疑惑が行く手を阻む中、ハルオの操縦するドローンは、見えない・聞こえない・話せない女性を、安全なシェルターまで誘導できるのか。

感想

目も耳も効かない女性をドローンで誘導するというミッションがすでに無理難題なのに、予期しないハプニングが何度も起こるんです。

それに知恵と科学で立ち向かっていく展開は、不安とワクワクがいっぱいでした。

子供の頃に救えなかった兄の「無理だと思ったらそこが限界」の口癖が、時には暑苦しく、時には重りになり、感動のラストにはまた違った意味を持ってくる、というのも見事でした。

飽きない展開と読みやすい文章で、一気に読み切りました。

ころり的好き度

★★★★☆

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