あらすじ
交通事故を起こし、執行猶予中である雨村慎介は、仕事中に何者かに頭を打たれた。
一命を取り止めたものの、事故当時の記憶を失ってしまったようである。
失った記憶を埋めるため、事故について知ろうとする慎介だが、知れば知るほど不自然な点が次々と出てくる。
かすかにある記憶との矛盾に悩む中、やがて慎介の前に謎めいた女が現れた。
恐ろしく妖艶なこの女は一体何者で、何の目的があるのか。
感想
非現実的だけど、完全にありえないとも言い切れないような、オカルトめいたミステリー。
まず、冒頭の交通事故の描写で一気に引き込まれました。
被害者の痛み、無念、憎しみが、苦しいくらい伝わってきます。
リアリティがあって怖いです。
交通事故と謎の美女がどう関係してくるのか、謎の美女の正体と目的は何なのか、事故の真相はどうだったのか。
気になることばかりでどんどん読み進めてしまいました。
謎の女の過激な行動で理由がはっきりと書かれていない部分は、自分なりにいろいろ怖い解釈をして楽しみました。
終始不穏な空気が漂うストーリーに、ぞわっとする後味の悪い結末。
世界観にどっぷりと浸れました。
ころり的好き度
★★★★★
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