「女王はかえらない/降田天」あらすじ・感想

女王はかえらない 小説のあらすじ・感想

あらすじ

三年一組は、スクールカーストの頂点に立つ女王・マキによって支配されていた。

クラスのほとんどがマキに媚び、減点を恐れる。

意に沿わないものは、いじめられる。

ボクはそんな日々が心底嫌だった。

そしてそんな状況は、東京からの転校生・エリカによって激化した。

女王の座をめぐる権力争いは、クラス全体を巻き込み、どんどん激しさを増していく。

そしてある夏の日、クラスメイト全員にとって忘れられない事件が起こってしまった。

感想

幼いゆえの残酷さと単純さ、逆に驚くほどの狡猾さで繰り広げられるいじめのシーンは、読んでいて辛いものがあります。

恐ろしいままに終わった第一部に続き、第二部を読み進めると…おや。様子がおかしい。

事件はどうなった?これってもしかして…と思っているうちに、第三部。

叙述トリック発動。伏線回収。衝撃の真相。

もう最高です。

物語の冒頭を飾ったかわいらしい学級歌が、決して仲良くない一組の皮肉として効くだけでなく、事件の真相シーンに登場するのが特に見事で、思い出すだけでゾッとします。

子供らしいような、子供とは思えないような、そんな絶妙なバランスで成るストーリーが、すばらしかったです。

ころり的好き度

★★★★★

コメント

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