「一千兆円の身代金/八木圭一」あらすじ・感想

一千兆円の身代金 小説のあらすじ・感想

あらすじ

刑事部捜査第一課特殊犯捜査係、通称SITの誘拐専用電話のベルが鳴った。

誘拐されたのは、真っ黒で厚顔無恥な元副総理の孫である、小学五年生の篠田雄真。

「革命係」と名乗る犯人から日本政府への要求は、国の財政赤字と同額である1085兆円を身代金として支払うか、財政赤字を招いた責任を公式謝罪し、具体的な再建案を提示することであった。

捜査を進めていくうちに特殊班は、ある政治や政治家への不満が綴られたブログにたどり着く。

感想

2015年の作品ですが、政治や政治家に対する不満はいつになってもそう変わらないものなんだなと虚しくなりますね。

嘆願ブログの管理人のように、自分の身を削ってでも世の中を良くしたいと願っている人は、実際にいそうです。

身代金1085兆円という金額はぶっ飛んでいますが、いつかこのような事件が本当に起こるのではないかと思わせてくれます。

国家の威信とプライドをかけて捜査に取り組む特殊班と、罪を犯してでも日本を正しい方向へ修正したい革命係。

両方の視点で繰り広げられるストーリーは、熱くて、切なくて、かっこいいです。

個人のブログ、男女関係のもつれ、家族の不和といったことから、日本国民みんなを巻き込むスケールに広がっているところも、読み応えがありました。

ころり的好き度

★★★★☆

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