「爆弾/呉勝浩」あらすじ・感想

爆弾 小説のあらすじ・感想

あらすじ

酒屋の自動販売機を蹴り店員を殴ったとして警察が取り調べをしていた、冴えない中年の男。

金はなく、自分を卑下するばかりのスズクタゴサクと名乗る男は、霊感があるのだと言い出し、秋葉原で爆発があると予言する。

そしてその通り爆発が起こったー。

感想

楽しむ鈴木に、探る警察側。

スリリングな心理戦が楽しめます。

とにかくスズキタゴサクが怖い。文章でこんなに嫌悪感を抱かせるなんてすごいです。

生理的に無理と言って思ってしまうような見た目、考え方、話し方。

それでいて頭がいいことがガンガン伝わってきます。

そしてそんな鈴木によって正義であるはずの警察たちの本性があぶり出されていき、翻弄されていく様子に目が離せません。

誰もが持っている悪の部分に迫ってきて、心にずしんと来る作品でした。

ちょっとした傷害事件だったはずが、爆弾テロ。

物語の最後までずっと取り調べ室内にいるスズキに対し、都内「丸ごと」に広がる被害。

あれよあれよと広がっていくスケール感も魅力的でした。

ころり的好き度

★★★★☆

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