「ファラオの密室/白川尚史」あらすじ・感想

ファラオの密室 小説のあらすじ・感想

あらすじ

古代エジプト、神官書記であるセティは、ピラミッド制作の仕事にあたっている最中、崩落事故により命を落とした。

冥界の審判の場に来たセティだが、心臓が欠けているため審判にかけられないと告げられる。

3日以内にかけた心臓を取り戻し棺に戻ることを条件に現世に蘇ったセティは、自分の心臓を取り戻すため、自分の死の真相を追い求める。

その一方、先王の葬儀の途中、先王のミイラが消える事件が起こっていた。。

感想

神様が登場したり、ミイラのセティが動き回ったりと、古代エジプトを舞台にした物語ならではのとんでもない世界観のミステリー。

何でもありじゃないかと驚きましたが、その世界観とミステリーがちゃんと共存していて、みるみる引き込まれました。

現代の日本人である私には古代エジプトの人々の考えや暮らしは馴染みがないものでしたが、家族愛や友情は十分に共感できるものがあり、胸を打ちました。

エジプト人ではない「カリ」の働きも大きく、信仰の世界と現実がきれいにつながっていきます。

エキゾチックでスピリチュアルな世界観にどっぷり浸りながらも、謎解きは現実的で、爽やかに終わる。

他にはない読書体験でした。

ころり的好き度

★★★★★

コメント

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