あらすじ
日本で最も人気のある球団オリオールズの投手である沢村はある日、身に覚えのない約束を果たさなかったとして、見知らぬ男から暴行を受ける。
そしてその翌日、先輩投手のパーティでも同様に暴行を受け、さらには自分が八百長をしているとの告発文が球団とマスコミ宛に届いた。
いったい誰が何のために?
沢村は真相を暴くため、パーティで出会った美しい女優の美鈴や記者の下平の協力を得ながら、立ち向かっていく。
感想
プロ野球を舞台にしたミステリー。
主人公は冷静かつ理論的で、時にはそれがユーモラスに感じることもあり、好感を持って読めました。
美女と出会ってすぐに惹かれ合ったり、犯人の一人が偶然知り合いだったりと、やや都合が良すぎるのではと思う部分もありましたが、そこがテンポの良さに繋がっているんだと思います。
野球に疎い私でも読みやすかったですが、試合のシーンがいくつかあるので、野球に詳しいほうがもっともっと楽しめるだろうなと思いました。
読み進めるうちに印象が変わっていくキャラクターが多く、特にとにかく恐ろしい印象の高木は、ラストで物語にクールな余韻を残してくれます。
ゴリゴリのミステリーを求めている人には物足りないかもしれませんが、野球が好きな人や読みやすいミステリーを求める人にはオススメです。
ころり的好き度
★★★☆☆
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