「名探偵のままでいて/小西マサテル」あらすじ・感想

名探偵のままでいて 小説のあらすじ・感想

あらすじ

楓の祖父は、ミステリ好きで頭の切れる元小学校校長だったが、現在はレビー小体型認知症を患っており、幻視や記憶障害などの症状が頻繁に現れるようになった。

しかし楓が身の回りで起きた謎や相談事を話すと、祖父は知性を取り戻し、名探偵となる。

密室殺人、人間消失といった謎を認知症の祖父が安楽椅子探偵となって解き明かす、愛のこもったミステリー。

感想

大好きな知的な祖父が認知症を患ったことや、楓の生い立ちについての悲しさ・切なさと、登場人物の愛、ミステリへの愛が共存していて、素敵な雰囲気の作品です。

特に認知症の祖父が見る幻視が、この作品ならではの演出だと思います。

「事実」を映し出しているような幻視は、神秘的な雰囲気を感じられます。

楓の日常で起きた謎はどれも好奇心をくすぐられますし、人物同士の会話のテンポも良く、終章では楓の身に危険が迫りグッとドラマチックになって、とても楽しく読みました。

ころり的好き度

★★★★★

コメント

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