「天地明察/冲方丁」あらすじ・感想

天地明察 小説のあらすじ・感想

あらすじ

碁をもって徳川家に仕える「碁打衆」である渋川春海は、算術の問題を記し別の者が回答を記す難解な「算術絵馬」が、関という者によって一瞥即解されていたことに衝撃を受ける。

いつか関に勝負を挑みたいと思ううち、緯度計測、さらには日本独自の暦の作成を命じられる。

挫折を繰り返しながらも学問に人生を捧げた男・渋川春海の生涯を絵描いた長編物語。

感想

暦を作る時代小説とのことで、おかたい話かなと構えて読み始めましたが、勝負に熱い少年やチャーミングな老人といったキャラクター達、そして困難に立ち向かいながら目標に向かって進んでいくという、青春モノの少年漫画ような心地よさ・軽快さがあります。

それでいて壮大なストーリーで、とても楽しく読めました。

私にとってはなかなかの長編でしたが、碁、算術、天文等の様々な経験と知識、そこで出会った人々の想いを何一つ無駄にせず、クライマックスに向かって収束していく展開はとても胸が躍りました。

そしてかかわってきた人物たちの春海への想いと、春海からみんなへの想いに、何度も込み上げてくるものがありました。

また、今の時代にはたくさんの娯楽であふれかえっていますが、学問とはなんと面白いものだろうと気づくことができるお話でした。

ころり的好き度

★★★★★

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