「さよならジャバウォック/伊坂幸太郎」あらすじ・感想

さよならジャバウォック 小説のあらすじ・感想

あらすじ

モラハラ気質の夫から暴力を振るわれ、とっさに金槌で殴ってしまった量子。

息子に害が及ばないようにという一心で、大学時代の後輩である桂凍朗に従い、夫の死体を山へ隠すことになった。

しかしその途中、強烈な眠気に襲われる。

目覚めたときには凍朗はおらず、代わりにいたのは見知らぬ若い夫婦、破魔矢と絵馬。

二人は「ジャバウォック」なるもので何かを企んでいる凍朗を探しているという。

わけのわからぬまま破魔矢と絵馬とともに凍朗を追うことになった量子。

凍朗の企みを阻止し、息子のもとへ帰れるか。

感想

冒頭から死体、やたら大きい男やジャージ姿の夫婦、そして物語の重要な要素であろう「ジャバウォック」というワードの登場。

量子のように「頭がいろいろな気持ちでいっぱい」な状態ながら、すぐに物語の世界観に引き込まれました。

むしろこの状態が楽しい。

夫殺しを後輩が隠蔽するという近い関係性の中から始まった物語は、怪しい組織が絡み始め、亀や天狗まで登場し、先の読めない、わくわくせずにはいられない展開へと進んでいきます。

シリアスなストーリーだし、ジャバウォックという観念的なものがキーとなっていますが、重すぎたり難しすぎたりということはなく、楽しく読み進められました。

登場人物のキャラ立ちや軽快な掛け合い、ユーモアの挟み方はさすがで、それが読みやすさにつながっているのだと思います。

ただ、フィクションの世界に浸りきれなかった場合、「ジャバウォックに音楽が効く」ということ、もっと言えば「ジャバウォック」そのものが、荒唐無稽に思えて冷めてしまいそうですね。

読みながら、この世界観を楽しむ私と、そんなことあるか?と思う私の両方がいました。

ころり的好き度

★★★★☆

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