あらすじ
北海道のさらに東、海に浮かぶ石油掘削基地との連絡が途絶えた。
テロの可能性により現場に出動した陸上自衛官の廻田が見たものは、全てのスタッフが血だらけになり、もがき苦しんだ後、ただれた肉塊となっている地獄絵図だった。
未知の感染症と考えられ、政府の命で極秘に調査を進める廻田と天才感染症学者の富樫だが、無能な政府や同僚に足を引っ張られるうちに、被害は拡大していく。
正体不明の悪魔から、北海道を、日本を守ることはできるのか。
第11回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
感想
パンデミックの正体は何なのか、どうやったら防げるのだろうか、というミステリー要素はもちろん、パニック要素も大きいです。
被害現場や侵されていく様子はグロテスクで、無理な人もいらっしゃるかも。
混乱する被害者や政府はリアリティと臨場感があって、もし現実にこんなことがあったら…と想像して怖くなってしまいました。
しかし、小さな石油掘削基地から始まり、北海道、さらには世界に影響が及んでいくスケール感にはワクワクしましたし、悲しみを背負っているが故の廻田たちの言動には胸が熱くなります。
怖いだけじゃない、読みごたえたっぷりの作品でした。
ころり的好き度
★★★★☆
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