あらすじ
福岡でオカンと過ごした幼少期。
大分でだらしない生活をしていた、一人暮らしの高校時代。
根拠のない可能性を求めて東京の大学へ進学し、留年した大学時代。
卒業後も東京に残り、借金だらけの生活をしていたが、オカンが体調を悪くしたとの知らせが入り、またオカンと暮らすことになった。
自堕落なボクと、優しいオカン、そして時々顔を出すマイペースなオトンと過ごした日々が綴られた、著者であるリリー・フランキーの長編自叙伝。
感想
リリーさんの実体験に基づいたお話ということで、母が年老いていき自分も大人になってから、やっとそのありがたさに気づき後悔するという、よくありそうな話ではありますが、時にコミカルで、時に詩的で、時に素直な文章がとても素敵でした。
「ボク」よ、ちょっとしっかりしなさい!と思うようなエピソードもありますが、人間臭さの感じられる語り口で、憎めません。
オカンについては感服です。
慎ましい生活をしていても食べ物や衣服は十分に与え、我が子以外も若い子みんなに手料理を食べさせる。
自分を削って与える姿はまさに「無償の愛」です。
「自分が恥をかくのはいいが他人に恥をかかせてはいけない」とか、「いい家というのは立派なお屋敷だとかじゃなくていつも人が訪ねてきてくれる家のこと」だとか、オカンの考え方には是非私も取り入れたいという思うようなことがたくさんありました。
とにかくオカンの愛が心に響いてきます。
月並みですが、後悔しないように親孝行していきたいと思いました。
ころり的好き度
★★★★★
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