「残月記/小田雅久仁」あらすじ・感想

残月記 小説のあらすじ・感想

あらすじ

月昂という感染症、発症すれば満月近くの明月期には身体能力、精力、芸術的能力等あらゆる力がみなぎるが、新月近くの昏冥期には百人に三人が死ぬ病である。

二十七歳で月昂を発症した宇野冬芽は、明月期の月昂者どうしを戦わせるという、時の権力者を楽しませるための悪趣味な競技を紹介され、闘士となることを決意した。

闘士として生死をかけた戦いをする日々の中、同じく月昂者であるルカと愛情を深めていく。

社会から拒絶され、理不尽な死が待つ悲しい運命を背負った冬芽は、生き延びるため、愛する人のため、戦い続ける。

表題「残月記」を含む、三話収録。

感想

「そして月がふりかえる」、「月景石」、「残月記」、すべて月をテーマに扱いながら、それぞれの話に関連性はなく、雰囲気も異なります。

「月景石」はファンタジー色が強くて個人的に好みではなく、何を伝えたいのかもよくわかりませんでした。

「残月記」は全体的に冗長に思いますが、月昂という架空の感染症と、震災や独裁政治で作られた近未来の世界観、そしてそれに抗う闘士・冬芽のキャラクターも好きです。

私が一番おもしろいと思ったのは「そして月がふりかえる」ですね。

人生を変えたレストランでの異様なワンシーンは想像するとかなり怖いですし、自分の身に起きたらと思うと絶望です。

いったいこの後主人公はどう生きていくのか、想像力を掻き立てられる不気味なラストでした。

ころり的好き度

★★★☆☆

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