2026年2月20日第一版発行の若林正恭著「青天」のあらすじ・感想をネタバレなしで紹介します。
(読了日:2026年10月28日)
あらすじ
毎年二回戦止まりの総大三高アメフト部は、戦術マニアの河瀬が考えたスペシャルプレーの特訓をするも、強豪校の遼西学園に敗れる。
この春季大会をもってアメフト部を引退し、学校生活に意味を見出せなくなった「アリ」こと中村昴は、不良グループとつるむようになる。
しかし不良になりきれず、成績が悪いため大学にも行けず、一流のアメフト選手にもなれない自分に、アリは苛立ちを募らせていった。
そんな時、後輩の高山が、一緒に秋季大会に出ないかと声をかけてきた。
秋大までの三か月半、アリはもう一度人とぶつかり、自分を傷つけ、真面目に生きようと誓う。
感想
芸人である若林正恭さんの著書なので、コミカルな作品なのかと思いきや、ユーモアはありつつスポ根で、哲学で、文学的でした。
男子高校生であるアリの視点なので、「死ね」や「殺す」なんて物騒な言葉がでてきますが、私は不思議と嫌に感じず、むしろアリの気持ちがまっすぐ伝わってきて好きです。
物語の開始早々に総大三高は負けて引退してしまい、中盤までアリがグレてしまうけど、そこからの盛り上がりはすごいです。
アリが自分に約束してきたことがチームメイトの気持ちを動かし、クライマックスで大きな力となる展開に、胸が熱くなりました。
アメフト用語が何度も出てきますし、いちいち細かいルール説明はされないので、アメフトを全く知らないとわかりにくい部分はありますが、イメージしやすくて臨場感に溢れる描写で試合を楽しむことができす。
チームメイトや対戦相手とのぶつかり合いはもちろん熱いのですが、愚直なアリと倫理の先生との「やり合い」は、ストーリーの盛り上がりにとても効いていますし、私自身の心に響きました。
気持ちが良く、読み応えのある作品でした。
ころり的好き度
★★★★★


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