「星を掬う/町田そのこ」あらすじ・感想

星を掬う 小説のあらすじ・感想

あらすじ

元夫に何度もお金を奪われ困窮していた千鶴は、賞金を得るために、ラジオ番組に自分を捨てた母との思い出を投稿した。

するとそれをきっかけに母・聖子と再開。しかし聖子は若年性認知症を発症していた。

千鶴は夫から逃れるため、自分の不幸の元凶である聖子と、聖子をママと慕う美しい恵真、家事を完璧すぎるほどにこなす彩子とともに暮らすことにする。

ぶつかり合いながらも上手くやっていけそう、そう思ったときには、聖子の症状は千鶴たちの手に負えない段階になっていた。

健全な家族関係を築けず心に傷を持つ者達の、再生の物語。

感想

母親に捨てられ、祖母との折り合いも悪く、やっと愛を手にしたと思ったらハラスメントを受け…。

千鶴はかわいそう。聖子と再開できたのになんて酷い対応なんだろう。聖子は自分勝手だ、母になるべきではなかった。

そう思いながら読み進めましたが、千鶴の甘さと聖子の愛にガツンとやられました。

自分の気持ちと親の気持ち、また母ならば自分の気持ちと子どもの気持ちを天秤にかけることが、みな多かれ少なかれあると思います。

聖子ほど大きな決断はできませんが、私も母として聖子に共感する部分がいくつもあり、聖子が体を張るクライマックスは胸を打たれました。

お互いがお互いを愛しく思っているのにぶつかってしまう、そんな“さざめきハイツ”の住人たちが愛おしい。

身近な人に素直に上手に甘えたい、そして甘えてもらいたいなと思いました。

ころり的好き度

★★★★☆

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