2026年7月23日第一版発行の湊かなえ著「王国」のあらすじ・感想をネタバレなしで紹介します。
(読了日2026年9月10日)
あらすじ
母が演じる珊瑚の女王と、父たちが演じる九人の騎士。
海を守るための啓蒙活動として製作された実写映像を観た幼い浜崎朔也は、いつしかそれが将来の夢へと変わっていった。
朔也は大学卒業後、人生を懸けて守ると誓った珊瑚の女王・杉浦汐音とともに、ウェルネス・ツーリズムの会社「海の王国」を興す。
幼馴染や弟など九人の騎士の協力を得て、世界最軽量のタンクの開発に成功、晴れてそのお披露目会が開催されることとなった。
しかし世界中の関係者が注目する中、事件が起こる。
なあ、親愛なる騎士たちよ、教えてくれ。
珊瑚の女王を殺したのは、誰なんだ?
感想
海の城を守るための九人の騎士と珊瑚の女王というファンタジーな雰囲気と、時折アクセントのように挟まれる不穏な文章に、第一章目から引き込まれました。
事故と言い切れない最期を迎えた「海の王国」のリーダーと「珊瑚の女王」。そして深い信頼関係で結ばれていたはずの騎士たちは、それぞれ何かを隠している…。
湊かなえお得意のイヤミス(読後にイヤな気持ちになるミステリー)かなと勝手に期待して読み進めてしまったので個人的には残念でしたが、ミステリーでありながら、友情や兄弟愛、信頼関係などがテーマのお話でした。
S県松ヶ崎市の白珠湾という架空の漁港が舞台ですが、民宿や食堂、そこに住む人々などはとてもリアリティがあって、描写されている以上に想像が掻き立てられ、頭に映像が浮かんできます。
この白珠湾近辺で物語のほとんどが進んでいくので、閉鎖的な雰囲気があるのですが、第一章と終章ではかなり印象の違う景色が見えました。
イヤミスのつもりで読んでいたのに、最終的に待ち構えていたのは感動でした。
ころり的好き度
★★★☆☆


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